到達目標【基本習熟コース】

(1)医療面接

【一般目標】

患者中心の歯科診療を実施するために、医療面接についての知識、態度及び技能を身に付け、実践する。

  • 研修歯科医の指導体制
    上級歯科医・指導歯科医が研修歯科医に患者さんを配当し、指導の下に患者さんに接し、実際のカルテ記載や治療説明などを行う。
  • 修了判定の評価基準
    合計10症例以上経験していることが必要。

【行動目標】

  1. コミュニケーションスキルを実践する。
  2. 病歴(主訴、現病歴、既往歴及び家族歴)聴取を的確に行う。
  3. 病歴を正確に記録する。
  4. 患者の心理・社会的背景に配慮する。
  5. 患者・家族に必要な情報を十分に提供する。
  6. 患者の自己決定を尊重する(インフォームドコンセントの構築)。
  7. 患者のプライバシーを守る。
  8. 患者の心身におけるQOL(Quality Of Life)に配慮する。
  9. 患者教育と治療への動機付けを行う。

(2)総合診療計画

【一般目標】

効果的で効率の良い歯科診療を行うために、総合治療計画の立案に必要な能力を身に付ける。

  • 研修歯科医の指導体制
    上級歯科医・指導歯科医が研修歯科医に患者さんを配当し、ディスカッションして治療計画を立案する。
  • 修了判定の評価基準
    合計10症例以上経験していることが必要。

【行動目標】

  1. 適切で十分な医療情報を収集する。
  2. 基本的な診察・検査を実践する。
  3. 基本的な診察・検査の所見を判断する。
  4. 得られた情報から診断する。
  5. 適切と思われる治療法及び別の選択肢を提示する。
  6. 十分な説明による患者の自己決定を確認する。
  7. 一口腔単位の治療計画を作成する。

(3)予防・治療基本技術

【一般目標】

歯科疾患と機能障害を予防・治療・管理するために、必要な基本的技術を身に付ける。

  • 研修歯科医の指導体制
    上級歯科医・指導歯科医が研修歯科医に患者さんを配当し、指導の下に治療を行う。
  • 修了判定の評価基準
    合計10症例以上経験していることが必要。

【行動目標】

  1. 基本的な予防法の手技を実施する。
  2. 基本的な治療法の手技を実施する。
  3. 医療記録を適切に作成する。
  4. 医療記録を適切に管理する。

(4)応急処置

【一般目標】

一般的な歯科疾患に対処するために、応急処置を要する症例に対して、必要な臨床能力を身に付ける。

  • 研修歯科医の指導体制
    上級歯科医・指導歯科医が研修歯科医に患者さんを配当し、指導の下に治療を行う。
  • 修了判定の評価基準
    合計5症例以上経験していることが必要。

【行動目標】

  1. 疼痛に対する基本的な治療を実践する。
  2. 歯、口腔及び顎顔面の外傷に対する基本的な治療を実践する。
  3. 修復物、補綴装置等の脱離と破損及び不適合に対する適切な処置を実践する。

(5)高頻度治療

【一般目標】

一般的な歯科疾患に対処するために、高頻度に遭遇する症例に対して、必要な臨床能力を身に付ける。

  • 研修歯科医の指導体制
    上級歯科医・指導歯科医が研修歯科医に患者さんを配当し、指導の下に治療を行う。
  • 修了判定の評価基準
    合計10症例以上経験していることが必要。

【行動目標】

  1. 齲蝕の基本的な治療を実践する。
    • レジン修復
    • インレー修復
  2. 歯髄疾患の基本的な治療を実践する。
    • 抜髄
    • 感染根管治療
  3. 歯周疾患の基本的な治療を実践する。
    • 口腔衛生指導
    • スケーリング・ルートプレーニング
  4. 抜歯の基本的な処置を実践する。
    • 乳歯抜歯
    • 永久歯抜歯
    • 埋伏歯抜歯
  5. 咬合・咀嚼障害の基本的な治療を実践する。
    • 歯冠補綴治療
    • 部分床義歯治療
    • 全部床義歯治療

(6)医療管理・地域医療

【一般目標】

歯科医師の社会的役割を果たすため、必要となる医療管理・地域医療に関する能力を身に付ける。

  • 研修歯科医の指導体制
    各研修歯科医を担当する上級歯科医・指導歯科医を決め、レポート作成の際にサポート等を行う。
  • 修了判定の評価基準
    レポートは指導歯科医が評価を行う。評価が「良」以上のレポートを1例以上提出することが必要。

【行動目標】

  1. 保険診療を実践する。
  2. チーム医療を実践する。
  3. 地域医療に参画する。
    • 研修内容
      医療管理関連セミナー、地域医療チームの活動に参加し、レポートを作成する。
    • 必要な症例数
      1症例以上

【基本習得コース】

(1)救急処置

【一般目標】

歯科診療を安全に行うために、必要な救急処置に関する知識、態度及び技能を習得する。

  • 研修歯科医の指導体制
    上級歯科医・指導歯科医が研修歯科医に患者さんを配当し、指導の下に治療を行う。
  • 修了判定の評価基準
    合計10症例以上経験していることが必要。

【行動目標】

  1. バイタルサインを観察し、異常を評価する。
  2. 服用薬剤の歯科診療に関連する副作用を説明する。
  3. 全身疾患の歯科診療上のリスクを説明する。
  4. 歯科診療時の全身的合併症への対処法を説明する。
  5. 一次救命処置を実践する。
  6. 二次救命処置の対処法を説明する。

(2)医療安全・感染予防

【一般目標】

円滑な歯科診療を実施するために、必要な医療安全・感染予防に関する知識、態度及び技能を習得する。

  • 研修歯科医の指導体制
    各研修歯科医を担当する上級歯科医・指導歯科医を決め、レポート作成の際にサポート等を行う。
  • 修了判定の評価基準
    レポートは指導歯科医が評価を行う。評価が「良」以上のレポートを1例以上提出することが必要。

【行動目標】

  1. 医療安全対策を説明する。
  2. 医療事故及びヒヤリ・ハットを説明する。
  3. 医療過誤について説明する。
  4. 院内感染対策(Standard Precautionsを含む)を説明する。
  5. 院内感染対策を実践する。
    • 研修内容
      医療安全・感染予防に関するセミナーへ参加し、レポートを作成する。
    • 必要な症例数
      1症例以上

(3)経過評価管理

【一般目標】

自ら行った治療の経過を観察評価するために、診断及び治療に対するフィードバックに必要な知識、態度及び技能を習得する。

  • 研修歯科医の指導体制
    上級歯科医・指導歯科医が研修歯科医に患者さんを配当し、指導の下に治療を行う。
  • 修了判定の評価基準
    合計10症例以上経験していることが必要。

【行動目標】

  1. リコールシステムの重要性を説明する。
  2. 治療の結果を評価する。
  3. 予後を推測する。

(4)予防・治療技術

【一般目標】

生涯研修のために必要な専門的知識や高度先進的技術を理解する。

  • 研修歯科医の指導体制
    各研修歯科医を担当する上級歯科医・指導歯科医を決め、レポート作成の際にサポート等を行う。
  • 修了判定の評価基準
    レポートは指導歯科医が評価を行う。評価が「良」以上のレポートを1例以上提出することが必要。

【行動目標】

  1. 専門的な分野の情報を収集する。
  2. 専門的な分野を体験する。
  3. POS(Problem Oriented System)に基づいた医療を説明する。
  4. EBM(Evidence Based Medicine)に基づいた医療を説明する。
    • 研修内容
      各種セミナーへの参加、文献検索を行い、レポートを作成する。
    • 必要な症例数
      1症例以上

(5)医療管理

【一般目標】

適切な歯科診療を行うために、必要となるより広範囲な歯科医師の社会的役割を理解する。

  • 研修歯科医の指導体制
    各研修歯科医を担当する上級歯科医・指導歯科医を決め、レポート作成の際にサポート等を行う。
  • 修了判定の評価基準
    レポートは指導歯科医が評価を行う。評価が「良」以上のレポートを1例以上提出することが必要。

【行動目標】

  1. 歯科医療機関の経営管理を説明する。
  2. 常に、必要に応じた医療情報の収集を行う。
  3. 適切な放射線管理を実践する。
  4. 医療廃棄物を適切に処理する。
    • 研修内容
      各種セミナーへの参加、文献検索を行い、レポートを作成する。
    • 必要な症例数
      1症例以上

(6)地域医療

【一般目標】

歯科診療を適切に行うために、地域医療についての知識、態度及び技能を習得する。

  • 研修歯科医の指導体制
    各研修歯科医を担当する上級歯科医・指導歯科医を決め、レポート作成の際にサポート等を行う。
  • 修了判定の評価基準
    レポートは指導歯科医が評価を行う。評価が「良」以上のレポートを1例以上提出することが必要。

【行動目標】

  1. 地域歯科保健活動を説明する。
  2. 歯科訪問診療を説明する。
  3. 歯科訪問診療を体験する。
  4. 医療連携を説明する。
    • 研修内容
      各種セミナーへの参加、文献検索を行い、レポートを作成する。
    • 必要な症例数
      1症例以上