初期研修医の声
(2023年プログラム) 葛西薫美
はじめまして。初期研修医一年目の葛西薫美と申します。2023年の春から、島根大学医学部附属病院のShimadaizmプログラムで初期研修を開始しました。
学生という立場からいきなり環境が変化して早くも4ヶ月が経過しましたが、未だに慣れないことも多々あり、とにかく勉強の日々を送っております。
私自身はいわゆる“地域枠”の入学ではなく、初期研修先を選択する際に地域残留の義務はありませんでした。そんな私がこの病院で研修を決めたと言うと、県内の方にさえ「そんな、呪いに縛られていないのに……!」とあんまりな言い草をされたものですが、私にとってはこの島根の土地、そして人々の優しさは、非常に魅力にあふれるものでありました。
うまく行かないことばかりの毎日ですが、附属病院は先生方もコメディカルスタッフの方々も皆さん本当に優しく、おかげでめげることなく初期研修医生活を送ることができております。
また、『気軽に体調について相談できる町のお医者さん』のような立場に憧れている私にとって、地域医療とも関わっていく当病院での研修はぴったりであるとも感じております。
医師に求められるもの、とは何なのでしょうか。研修を始めてから、時折考えるようになりました。
バシッと診断を下してすばやく治療に当たれる医師、かっこいいですよね。そんな姿に憧れる、だからとにかく数をこなしたい!と考える方にとっては、大学病院は症例数が少ない──という話はよく聞きます。けれど、世の中にある病気はそのどれもがすぐに治るものばかりではありません。いわゆる慢性疾患といった、生涯にわたって付き合っていかなくてはならない病気を抱えながら暮らしている方は、見た目ではわかりにくいだけでたくさんおられます。また、手術を受けるにしても、体に侵襲がある限りまるきり以前と同じとは行かない方も少なくないでしょう。
治療費は?今後の自分の仕事は?手術はちゃんと成功する?以前通りの生活には戻れるの?何より、自分の体はこの先どうなってしまうのか?そんな時、患者さんが抱える不安はたくさんあります。私達は、その一つ一つに真摯に向き合っていかなくてはならないのです。
また、入院している患者さんだって、その体調は刻々と変化していきます。状態も落ち着いているし大丈夫だろ、なんて軽い気持ちで検査結果を見たら、数値が思いっきり変化していた、なんてこともあります。そういった変化にも常に気を配らなくてはならず、実は一人の患者さんから学べることはたくさんあるのだと改めて感じております。
私が当病院で学んでいるのは、そういった『患者さんとの向き合い方』なのかもしれません。
病院ごとに特色があり、一概にここがいい!なんてことは言えません。けれど、大学病院だからといって学べることが少ないなどと言うことは決してないと思います。
拙い文章を長々と書いてしまいましたが、もしこれを読んで当病院に興味を持ってくださった方がおられましたら、ぜひここに来てください。ともに学んでいける仲間を、一同心から歓迎いたします。
(2022年プログラム) 福田智信
はじめまして。
初期研修医1年目の福田智信と申します。2022年4月から島根大学医学部附属病院で初期研修を始めました。
研修始めてようやく一ヶ月半ほどで経ちました。少しずつ慣れつつある状態です。わからないことや戸惑うこともありつつも諸先生方のご指導とスタッフの皆さんのご支援の元で勉強させてもらっています。
他の病院と比較して受け持ちさせていただいている患者さんの人数は相対的に少ないかもしれませんが、その分個々の患者さんの疾患や背景をよく考えて取り組む余裕があるように感じています。現在回らせてもらっている神経内科では、来院されてから退院されるまでのそれぞれの段階で大切なことを自分で考え、上級医と相談し指導を受け、他の職種のスタッフさんたちともお話しながら経験を積んでいます。この中でも疾患について教科書やガイドラインに繰り返し当たる時間的余裕があります。
特に研修医になってすぐの段階の今、疾患について以外にも、多様な知識や技法の勉強に再度取り組み直す必要性を感じており、そちらにも振り向けています。学生(student doctor)から研修医へのギャップも病棟業務などで大きく、そういう部分での穴埋めにも使っています。
症例数や手技について、まさに体で覚える、体得するという方向ではそこまで向かないのかもしれません。一つ一つの症例からたくさん学んでいくという方針であれなかなか悪くない。そんな風に感じています。
おそらくこれから医師として生きていく上で、最初の第一歩となる初期研修は重要な機会であろうと思います。これからの進路、果ては生き方にまで大きく影響することでしょう。よくよく考えて選んでみるのが良いと思います。拙い文章でもここまで読んでくださった方、きっと当院に興味がおありのことでしょう、ぜひ当院も選択肢に入れてみてください。
共に切磋琢磨する仲間を皆で心待ちにしております。