後期研修医科 カリキュラム消化器内科・肝臓内科
目標・理念
当科では、地域医療に基づいた診療を原則としながら、最先端の医療を積極的に取り入れ、患者さんのニーズに即した高いレベルの医療が提供できることを目標としています。
また、教育・研究分野では、個々の能力に合わせて適切な指導を行い、優れた人材を育成すべく日々精進しており、あらゆる面で魅力のある消化器内科を目指しております。
診療科概要
診療は基本的に5~6人が1グループのグループ制(現在3グループ)をとっており、研修医もその一員となります。グループ全体で患者の病態の把握、治療方針などを検討し、同時にしっかりとした研修医の指導、サポートも行っています。
当科で研修を行うことにより消化器疾患のほぼ全てを経験でき、common diseaseから高度医療を要する難病まで幅広い知識と技量が身につきます。内視鏡やエコーなどの症例も多く、研修終了後には消化器内科医として関連病院(下記参照)に赴任しても即戦力として活躍できます。また経験した症例を学問的に意義あるものとするために学会発表、論文発表も積極的におこなっています。
一方、研究分野にも力を入れています。当科には研究目的の大学院生が多数在籍しており、4年間熱心に研究することで博士の学位を所得できます。また、国内の他大学や海外より留学生・研究生も集い、毎年多数の国際的な論文を発表しています。逆に国内外への留学も励行しており、インターナショナルな医局です。
以上、診療面、研究分野ともに国内でもトップレベルの消化器内科であり、常に活気にあふれていますが、木下教授を筆頭に笑いが絶えず、アットホームな雰囲気でたいへん親しみやすい医局と評判です。 さらに、日本内科学会、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会の指導施設の指定も受けており、消化器内科医を目指す医師には非常に有意義な研修が出来る環境にあります。
2015年度検査総数
- 上部消化管内視鏡検査 3862件
- 下部消化管内視鏡検査 1820件
- ポリペクトミー・EMR・ESD 552件
- 食道静脈瘤治療(EIS、EVLなど) 31件
- ERCP 366件
- 腹部超音波検査 4072件(造影エコー 179件)
- 経皮的超音波下穿刺治療(ラジオ波、PEITなど) 159件
- ダブルバルーン内視鏡 169件
- カプセル内視鏡 21件
後期研修プログラム
消化器内科専門医として活躍できる知識と技術を修得する事を目的としています。消化管あるいは肝臓のどちらかを専攻することもでき、その場合、より多くの症例で専門的な手技が習得できます。さらに希望があれば、2年次から県内外の関連病院に赴任し臨床を重点的に学ぶこともできます。本研修後には内科学会認定医が所得でき、その後、消化器病、内視鏡学会などの専門医が所得できます。(特に最近は、認定医・専門医の資格がどこに行っても重要になってきておりますので、是非所得されることをお勧めいたします。)
認定医・専門医に関しましては、通常のコースでも問題なく資格が所得できますが、当科はさらに認定医・専門医習得コースを設けており、消化器病学会、消化器内視鏡学会、肝臓学会、超音波学会などの認定医・専門医をできるだけ短期間で確実にとるために、集中して研修ができるようなプログラムも考えています。
研究分野では同時に大学院に入学することになります。現在はすべての大学において、大学院を卒業しないと学位が取れなくなっていますので、入学されることを強くお勧めいたします。気になる大学院生の生活面ですが、関連病院などへ定期的に仕事に出ますので、経済的な点での心配は全くありません。それに加え、夜間大学院制度もあり、その場合、日中は医員として大学病院での診療業務を行なうため、大学からも相当な額の給料が支払われ、生活には十分な余裕があります。
このようにいろいろなコースがあり、幅広い選択が出来るのも魅力の一つです。もしも途中で自分に合わないと判断すれば、他のコースへの変更も可能です。
下記に一般的なプログラムを掲載いたしますが、研修医の要望で自由にアレンジが可能です。
後期研修1年次(卒後3年目)
入院患者の担当医(4~5名)となり、主治医とともに診療をおこない、一般的な消化器疾患の診断、病態生理、治療を学びます。また、消化管造影、腹部超音波検査、CT、MRIの読影法などを修得します。内視鏡は上部消化管内視鏡検査でスクリーニングができるようトレーニングした後、下部消化管内視鏡検査も学びます。学位を目指して研究する研修医は、同時に大学院に入学し、基礎系ではマウス研究手法やヒト検体からのサンプル採取、PCR、Northern Blottingなどの分子生物学的、生理/生化学的な手技、知識をマスターします。
後期研修 1年次(卒後3年目)を開く
後期研修2年次
1年次で習得したことをさらに発展させ、日常診療はスタッフとほぼ同様におこないます。内視鏡検査は上部300症例(関連病院でのものを含む)、下部50症例を目標として基本的な内視鏡手技をマスターします。ERCPや治療内視鏡などにも多く携わります。肝臓においては超音波ガイド下の経皮的治療に積極的に参加し、指導医のもと自ら穿刺も行います。消化器病学会、内視鏡学会での発表をおこないます。研究分野では各々のテーマに沿って方向性が決定されます。
後期研修後期研修 2年次を開く
後期研修3年次
日常診療と新研修医の指導をおこないます。消化器疾患に関わる全ての診療手技を指導医の元におこない、内視鏡は観血的侵襲的な手技も経験します。消化器病学会、内視鏡学会などで定期的に発表をおこない、また臨床経験を整理して各種学会の認定医、専門医の取得に備えます。研究分野では、学会(国際学会や国内学会の総会)で発表し、論文(英文)を書いていきます。次年度論文がacceptされれば、学位の取得となります。最低でも、この時点までに海外の学会での発表を一度は経験してもらいたいと考え指導していきます。
週間予定は以下のとおりです。
月 17:30- 症例検討会
水 16:00-17:00 グループカンファレンス
木 13:30-16:00 病棟回診、カンファレンス
17:00-19:00 抄読会、内視鏡読影
グループにより回診・カンファレンスの時間が若干異なる。
後期研修 3年次を開く
関連施設
県内
松江赤十字病院、松江市立病院、松江生協病院、島根県立中央病院、出雲市立総合医療センター、大田市立病院、寿生病院、雲南市立病院、玉造病院、益田赤十字病院、益田医師会病院、浜田医療センター、隠岐病院、島根県環境保健公社、加藤病院
県外
市立加西病院、倉敷成人病センター、医療法人愛仁会高槻病院、淀川キリスト教病院、兵庫県立淡路病院、鳥取生協病院、鳥取市立病院、姫路愛和病院、愛知県がんセンター中央病院
その他希望施設での研修可能