後期研修医科 カリキュラム循環器・呼吸器外科
目標・理念
循環器・呼吸器外科では、診療・教育上の目標・理念として以下の点を重要と考えています。
- 患者の気持ちを尊重し、“患者の視点”を重視する。
(たとえば、たとえ良い手術を行っても、そのことを詳しく説明しないと、 患者さんが満足するとは限りません。そのような患者の視点に気付くように支援したい。) - 若手医師の積極性・自発性を評価し、伸ばす。
(間違いの指摘は後回しにして、型(指導医自身の型、レーゲル)にはめないようにしたい。) - 外科医としての“腕”を伸ばす。
(特に、例えば胸腔鏡下手術や血管内治療など、未来につながる新しい技術の研修を支援したい。) - エビデンスやガイドラインを尊重する。
(特に、例えば胸腔鏡下手術や血管内治療など、未来につながる新しい技術の研修を支援したい。) - 科学者としての観察眼・批判精神・学識を伸ばす。
(臨床の場で、医者であると同時に科学者でもあるように支援したい。)
診療科概要
胸部臓器を扱う二つの外科、循環器外科(=心臓血管外科)と呼吸器外科(=肺外科、胸部外科)を統合する講座です。
それぞれは診療科として独立しておりますが、同じ胸部臓器の外科として、 診療・教育・研究において、密接な協力関係を構築しております。 たとえば、肺がんの手術で血管の処理を行う上で、血管外科における トレーニングを受けておればより高度な対応が可能となりますし、 心臓や 大血管への浸潤例では心臓血管外科との連携が必要になる場合もあります。 また、呼吸器外科で高度に発展しつつある胸腔鏡下手術 (video assisted thoracoscopic surgery =VATS) の技術は心臓外科手術の低侵襲化にも役立つものと期待されます。 お互いに科としての垣根 を取り払い、より高い次元での協力関係を構築しつつあります。
卒後研修を受ける上でも、心臓血管外科あるいは呼吸器外科といった単科では得られないより 幅広い手術手技や術後管理の習得が可能になります。 また、救命救急医療の習得においても、 ダイレクトに生死にかかわる循環器・呼吸器分野でのトレーニングは実践に強い医師を育てることになります。 また、外科専門医取得などの必要や希望に応じて消化器・総合外科での研修も可能です。
手術数
循環器外科:
過去3年の実績で年間の心臓血管外科手術数として、85例~144例。
内訳としては、冠動脈バイパス術:40例、弁置換・弁形成術:30例、胸部大動脈瘤:15例、 急性大動脈解離:10例、左室形成術:3例、心房中隔欠損症:3例。 心室中隔穿孔:2例、 腹部大動脈瘤:20例、下肢動脈バイパス術:10例など
呼吸器外科:
過去3年の実績で年間の呼吸器・胸部外科の全身麻酔手術数として45~83例。
内訳(重複含む、件数の括弧内はVATS症例数)としては、肺葉切除(2葉切除以上も含む):32例(4例)、 肺区域切除術:9例(2例)、肺部分切除術:27例(16例) 、縦隔腫瘍切除:4例(2例)、膿胸手術:3例(1例)、 その他:11例(4例)
後期研修プログラム
後期研修プログラムについては、 心臓血管外科コース、 呼吸器外科コース のページをご覧ください。